思考・妄想の外部化-経営コンサルタントの頭の中-

仕事や読書、人々との会話を通して若手コンサルタントが日々考えている事を不定期にアウトプットしています。ビール好きなのでそれに関することも多少。

銃・病原菌・鉄―知識が境界を横断すること―

ブログのテーマ変更

前回にブログを更新してから1か月以上たってしまいました。

定期的に更新しようとしてもなかなかネタがなく、筆不精っぷりを全開にしておりました。しかし、下手なりに書いていかないといつまでも下手なままだということで、今後は強制的にテーマを生み出していきたいと思います。

日常的にテーマが生まれてくる事柄として、第一に読書が思い浮かびました。毎月本は読んでいて、それなりに色々感じていることもあるので。月並みですが、今後は書評系を中心に書いていきたいと思います。備忘録もかねて。

もちろん、仕事の中での学びについてもネタがあれば書きたいと思います!

まずは継続は力なりってことで、頻度高く読書録を更新したいです。

銃・病原菌・鉄

記念すべき1冊目は、数年前に一世を風靡した「銃・病原菌・鉄」です。

この本では、現代の社会において、文明が発達している地域とそうでない地域が発生しているのはなぜか、なぜ西洋諸国が他国を侵略、統治することになり、その逆は起きなかったのかということについて、幅広い知識と精緻な分析によって論じられています。

結論としては、文明発達に差が生じたのは、人種の優劣ではなく、偶然そこに発生していた原生種の植物や、動物が農業に適していたか否かということが主要因であるという主張がされています。

もちろん内容自体もとても興味深いのですが、私が一番衝撃を受けたのはもう少しメタな観点でした。

知識が境界を超えるということ

何よりも驚くべきは著者の知見の幅広さとそれらを結びつけわかりやすく説明する力です。

著者は医学部の教授であると同時に、民俗学歴史学、考古学、進化生物学、地理といった非常に幅広い分野の知見を持ち合わせており、それらを効果的に組み合わせて論理を展開しています。

一つ一つの分野ではおそらく、彼よりも知識のある学者も存在するのでしょうが、これほどにわかりやすく、専門知識を組み合わせることのできる人はなかなかいないのではないでしょうか。

近年、さまざまな知識が専門化、深化することにより、学問領域や専門領域の知識というのは門外漢にはわかりにくくなっているように思います。よく言われる「タコツボ化」ってやつですね。このような状況の中で、タコツボを割り、それぞれの知識を横断的に結びつけるということが非常に価値のあることなのだと実感しました。また、知識と知識がつながる瞬間、何にも例えがたいワクワク感がありました。

 

私が日々かかわっている、企業という組織においても、部門、分野の壁を越えて、幅広く横断的に物事を語れるということが非常に価値を生むのではないかと感じさせてくれる本でした。

大学時代にお世話になっていた教授が「組織では横串を通せる人材が非常に重要だ」とおっしゃっていたことをふと思い出しました。私も目の前のことだけにとらわれすぎず、広く横串を通せるような人にならなくては。