思考・妄想の外部化-経営コンサルタントの頭の中-

仕事や読書、人々との会話を通して若手コンサルタントが日々考えている事を不定期にアウトプットしています。ビール好きなのでそれに関することも多少。

ゼロ秒思考行動編-スピードこそが価値の源泉-

2014年に読んで以来、「ゼロ秒思考」で紹介されている「メモ書き」を習慣として続けてきました。(「メモ書き」の方法については以下の記事を参照ください)

その著者による続編「ゼロ秒思考 行動編」が出版されていて、こちらも非常に参考になったので紹介したいと思います。 

taka-kousou.hatenablog.com

 

スピードこそ価値の源泉

本書の中では「早さは全てを解決する。そのために日々の即断・即決・即実行を実現しよう」というメッセージが繰り返し述べられています。

また、私が尊敬する上司から言われ、印象に残っている言葉として、「同じ成果を出すなら早い方が圧倒的に価値がある」というものがあります。ただし、即断即決した判断の精度が低くては当然ながら成果は出ず、逆効果と言えます。

本書では即断即決しながらも、一定の精度を保つためのポイントとして「全体観を持つこと」が重要だと述べられています。「全体観を持つ」とは、自分の取り組んでいる問題や、所属する会社・組織を構造的、システム的に捉え、関係性、時間軸の中で重要なポイントが何か把握することだと認識しています。

このように定義すると完璧な全体観を持つことは非常に難しく感じますが、少なくとも自分の直面している課題に対しては、日々思考を整理することで即断即決に近づけるようにしたいと考えています。そのためにも「メモ書き」を上手に活用し、書くことで思考を整理しようと思います。

 

即行動のメリット

本書では様々な即行動のメリットが紹介されていますが、私として納得感の高かったものは下記の通りです。

 

  • 先手、先行者利益を取れる
  • PDCAサイクルをより早く、数多く回せる
  • 失敗を早期化し、早い段階で軌道修正できる

 

つまり、近年の日々変わっていく状況の中では、いくら計画を精緻化したとしても、やってみないとわからないことが多く、行動によってのみ正しいフィードバックが得られるということだと解釈しています。

 

即行動を阻害する要因

上記のメリットは頭では分かっていて、即行動すべきとは感じつつ、実現できている人はごく少数なのではないでしょうか。即行動を阻害する主な要因としては以下の様な精神的なバリアがあるように感じます。(私自身も感じるものばかりです)

  • 失敗を恐れている
  • 人に頼ることが苦手・億劫
  • 必要以上の精度を求めている
  • 当初の予定・計画を守ろうとしすぎる

即行動を実現するには、上記のバリアを取り除き、以下の様にマインドセットを切り替える必要があると言えます。

  • 失敗は成功に至るためのプロセスとしてとらえる
  • 自分だけで完遂できる仕事はごく少数ということを認める
  • 8割の精度で意思決定する
  • 計画は変わるものだと最初から覚悟する

マインドセットを変えることは簡単ではないですが、意識によって多少は行動が速くなるのではないでしょうか。

 

即断・即決・即行動を促進する2つのツール:オプションとフレームワーク

本書では即断・即決・即行動を実現するための具体的なツールとしてオプションとフレームワークが紹介されています。これらを適切に使いこなすことでより迅速に決断することができます。

 

オプション:想定される選択肢と評価基準

即断即決≒意思決定とは、選ぶものと捨てるものを決める事だと言えます。そして、何かを選ぶときには選択肢と評価基準が必要です。

これらのことを本書ではオプションと呼んでいます。

オプションを活用するときのポイントは、まずはざっくりと定性で評価すること、

そして、精緻化は意思決定に影響を与えるレベルまでに限定して実施することです。

なぜなら精緻化は突き詰めていけば無限に時間を使って行うことができるため、多くの場合は結論に影響がない作業となるためです。

この不必要な作業によって多くの決断が遅められているのは、日々仕事をする中でも実感します。

 

フレームワーク:全体の整理

こちらは全体観を持つために必要なツールです。

物事の関係性、因果関係の整理や、情報の分類のために様々なフレームワークが存在します。

ロジックツリーやマトリクス、システムダイアグラムのような方法論から、

3C,4P,7S,PEST,SWOT等々の情報を整理するための有名なフレームがありますが、これらの内容に関しては様々なコンサル本に記載されているためこちらでは割愛します。

 

上記のマインドセットを持ち、ツールをうまく使いこなすことで、1分1秒でも仕事を早め、より大きな価値を提供できるように、改善し続けていこうと思います。