思考・妄想の外部化-経営コンサルタントの頭の中-

仕事や読書、人々との会話を通して若手コンサルタントが日々考えている事を不定期にアウトプットしています。ビール好きなのでそれに関することも多少。

「なぜやるか?」の重要性

やる気を出すための「なんのためにやるか」
先日,中村文昭さんという方の講演を聞きました.
とても素朴に話す人で,しかし熱量があり
聞き入ってしまいました.
 
少し内容に触れると,
彼の人生を変えた恩人の一言として
「なんのためにやるか?」という問いかけが
あるそうです.
「何のためにやるのか?」の問いに応えられる
答え,つまり目的を持つ事によって,
行動一つ一つに意味が生まれ,真剣に物事に取り組めると
いうことです.
 
例えば,イチローが小学生の時には
すでにプロ野球選手になるという
明確で具体的な目標があり
”そのために”毎日
欠かさず素振りをしていた話や,
日本代表の本田が小学生の時には
具体的なワールドカップ優勝までの
プランを持って,”そのために”日々
練習していたという話を聞きます.
 
ただし,これは単純に「夢を持て」という
話ではありません.長期的目標が思いつかない
場合には,「目の前の人を喜ばせる,驚かせる,期待を超える」というような短期的なものでも構いません.それでも
期待を喜ばせるには,相手の期待を理解し,その想定を
超えるだけの努力をする必要があります.
実体験として,同じ何かをするのでも,
このような目的,理由があるか
ないかによってモチベーションが全く違ってくるように
感じます.
 
このように人は自分の行動に対して「やる理由」を求め,
それが満たされる時,精神的な充実感を持つ事が出来るように思います.
 
人を動かすための「Why (なぜやるか)」
また,今朝,Simon sinekのTED talk
を聞きました.
このスピーチでは
別の観点から「なぜやるか」の大切さに
ついて語っています.
 
彼はスピーチの中で偉大なるリーダー達が
人を動かし,大きな成果を上げられた仕組みとして
ゴールデンサークルという概念を
あげています.
ゴールデンサークルに基づくと,
通常,人がコミュニケーションをする時は
「What,how,why」の順に伝えますが,
偉大なるリーダーは「why,how,what」の順に
伝える事で人の心を動かすと言っています.
 
たとえばappleからiphoneが出た時の伝え方として
「パソコンのような機能の付いたケータイ電話が出ました(what),これを使えば○○が出来て(How),生活スタイルが
全く変わります(Why)」というプレゼンテーションはされていません.彼らは「生活を今とまったく違うものにする(Why)こんな事も出来る(how)そうIphoneならね(what)」という
表現を用い,多くの熱狂的ファンを獲得しました.
 
ある意味でWhyとはコンセプト,理念,ビジョンのような
モノなのかもしれません.
 
このように「なんのために?(Why?)」は自分だけでなく,人に行動を促す時にも重要な役割を果たします.
 
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以上のように,国も場所もバックグラウンドも全く異なる
スピーチに,共通して登場する「Why」という
言葉は,人が行動を起こす上で,とても価値があるのだと思います.
それは,自分のやる気を出すため,人を動かすための二つの理由からとても重要であり,
自分が動き,人が動けばそれは,ムーブメントとなって,社会や組織を変革する動きとなるのではないのでしょうか.
 
そういった意味でも,自分が「なぜ今の仕事をしているか」
「なぜがんばっているか」という問いかけに対する答えは,変わる事があったとしても,持ち続けて生きていきたいなと思いました.