思考・妄想の外部化-経営コンサルタントの頭の中-

仕事や読書、人々との会話を通して若手コンサルタントが日々考えている事を不定期にアウトプットしています。ビール好きなのでそれに関することも多少。

コンサルタントの提供価値

News Picksでコンサルティング業界の変貌に関する連載が組まれていました。

newspicks.com

これを読んで、コンサルファームの提供する価値とは何なのか、改めて考えてみました。コンサルタントとして数年間の経験を得た現時点での考察になりますが、数年後これがガラッと変わっていることも期待しつつ記録しておきたいと思います。

 

コンサルタントの提供価値を一言でいうならば「クライアントの目指すべき姿と、それにいたる道筋を示し、そこまで共に走ること」だと考えています。

プロジェクトの性質によって求められる働きは異なりますが、大きくは以下の3つに分けられるように感じています。

1.問題を整理し解決策を提示すること(ブレイン)

2.スピードと質を提供すること(高級派遣)

3.しがらみのない客観的な目線(第三者)

 

1.問題を整理し解決策を提示すること(ブレイン)

多くの方がコンサルティングといえば、この部分をイメージするように思います。

クライアントの抱える問題を論理的に整理、構造化し、打つべき施策を提示すること、

それを裏付けるデータやファクトを集め、分析することなど、コンサルティング本にも書かれているような仮説思考や論理思考が求められる部分になります。

言い換えれば、あるべき姿を描いて、そのために何をすべきか(What)を提示する価値ということもできるでしょう。

2.スピードと質を提供すること(高級派遣)

1.の提供価値によって何をすべきかはわかったとしても、現実にはクライアントに施策を実行する能力のある人材が不足していたり、現行のリソースでは目指すべき時間軸で施策を実行できないケースがままあります。そのような時にはコンサルタントが施策の実行支援まで行うことで、あるべき姿を実現することとなります。特に専門性を要するが社内リソースは十分でない、事業買収(M&A)やシステム導入、新事業展開などのケースではこの価値を提供していると言えます。

3.しがらみのない客観的な目線(第三者)

あるべき姿を実現する上で、意外に障害になるケースが多いこととして、「やるべきことはわかっているが社内の人間関係や組織上の力関係によって言いづらい」ということがあります。もちろん理想的にはこのようなしがらみがないことがベストなのですが、社内の派閥や政治が存在し、「やるべきとはわかりつつも強くは言えない」というケースがあるのが実情です。

そこでコンサルタントがしがらみなく第三者的立ち位置から耳の痛いようなことも言い切るという価値を提供することが求められます。

具体的には、組織の統廃合や、一部業務を廃止するような提案は内部からは行いづらく、コンサルタントの提言が有効に働く部分であると考えられます。

 

上記に示したそれぞれの価値が求められる度合いはプロジェクトによってまちまちですが、例えば戦略案件であれば主に1.が要求されるでしょうし、実行支援のプロジェクトでは2,組織再編のプロジェクトでは3が主要な提供価値になるように感じます。

これからコンサルティングのビジネスモデルが大きく変貌していく中で、新たにどのような提供価値が求められていくのか、あるいはこれらの本質的提供価値は変わらないのか、日々考えながら進んでいきたいと思います!